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「末枯」

大崎タイムス連載詩・2016.11.12掲載より

大崎タイムス2016.11.12.jpg

「末枯」VOL.89

夏に茂った落葉樹が
深秋に葉を落とす

この潔さに
未来への信頼がある

果実が種を抱えて
熟れながら
地面に落ちる

この使命に
自身への責任がある

山で生まれた水が
老いて海に向かう

この奇跡に
海への憧れがある

花に集まった蝶が
蜜を吸い花粉を纏う

この無意識に
次代の命がある

かの実がようやく
地面に辿り着いた
そこに降り立った
ムクドリが
その種を食べた

この無情に
新たな天地がある

もみじの紅には
終わりが潜んでいる
かえでは黄の内に
過去を孕める
盛りを過ぎて
衰える
それが末枯

炊かれた香木の
その香りが衰える
たきがらになる
それが末枯

それでも
それだけでは
ないのだ

枯れて無くなっても
何も残さなくても
何もなかった
わけではない

目の前の落葉樹が
いま葉を落とした
このときに
あなたの正義がある






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コメント 2

kobato

「末枯」恥ずかしながら…あまり使わない言葉です。
ひとつの季節や事柄が終わっても、いろんなことにつながっている
つつみこんでくれる優しい言葉の響きですね。
いろんな言葉には意味があること改めて…ありがとうございます。

by kobato (2016-11-12 20:28) 

みっちゃん

素敵な感想と発見、ありがとうございます。
by みっちゃん (2016-11-13 23:13) 

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