So-net無料ブログ作成

「冬木立の中で」

大崎タイムス連載詩・2016.12.17掲載より

「冬木立の中で」VOL.94

杉の木立がある
大通りから里山に
少し登ったところ
ちょうどみっつめの
曲がりを過ぎた右手に

先ごろまでは
この反対側の
南に面した
雑木林の落ち葉が
無造作に敷き詰められ
道を飾っていた
いまでは彩を失った
海底の珊瑚のように
その枝だけが
青の空を泳いでいる

晴れた朝は
よく冷える
舗装のない足元で
草は陽を受け白に光り
少し残る緑の色を
より濃く見せている
私はサクサクと
霜柱を踏んで歩いた

「あなたが陰口を」
彼はどうして
そんなことを言う?
明け方に見た夢の
そんな悲しい幻影を
払い除けたくて
寒風に中ったのだが
思い当たらない自責が
むしろ
現実のことのように
私の足にまとわる

この北側の斜面に
黙ったまま
私を見ている木々は
葉を抱え
まっすぐに立って
隣の木々とさえ
何も話すこともせず
こんな私を見ている

道向かいの雑木たちも
冬枯れの裸の枝を
揺らすこともなく
私の心を見ている

冬木立
わたしは
 この冬を受け止める
あなたは
 あなたのままでいい

そんな声が
聞こえた 気がした





nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 3

kobato

寒さの中、青空に向かう大きな木を見ると不思議と元気がでます。
厳しい寒さに、動じないで悠々と見えるから?
無理をしないで自然にまかせるのがいいかな?…と…
by kobato (2016-12-17 16:57) 

みっちゃん

kobatoさん
冬木立が語りかけてくる。
出くわしたことありますか?
寒中に立ち尽くす姿から言葉が聞こえます。
by みっちゃん (2016-12-22 11:42) 

kobato

朝、駅前に向かう途中、大きな桜の大木。
ふと立ち止まることがあります。そんな時、「木」自然からのお話が聞こえる時でしょうか…
by kobato (2016-12-25 17:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0