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「命の可視」

大崎タイムス連載・2016.2.27掲載より

「命の可視」VOL.52

あしあと.jpg

連載を始めて一年経つ
題名を見たら
それは私の
日々の発見
それの証だった

それも
何の答えにも
行き当たらない
自らの深宮に向かう
迷路に置いた
轍のようなものだった

私は私の弱さを知った

だからと言って
苦悩だけでない

人を羨んだり
自らの正しさを
自ら豪語したり
そのようなことは
自分に対峙する時に
邪魔になると知った

静かに
私が私と向き合う
そのことでしか
気づけないことが
あるということを
当たり前のことを
言葉を紡ぐ道のりで
知ることができたから

この日常から
言葉の化石という
詩集が生まれた

一年という歳月の
めぐる季節の
その移ろいに
身を任せ
心を旅したおかげだ

一年に土曜日が
52回あるのだと
連載から学んだ
命の可視

一回の土曜日の
過ぎていった土曜日に
心の旅の目印が
数の分だけ残された
修業の足跡
言葉の化石

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2月の庭

2月の庭


はこべ.jpg

暴れた西風が吹くなか
ふと地面に目をやれば
はこべは緑をたたえ
可憐な白をかかえて
春を待っていました

雨あがりの朝に



イヌフグリ.jpg

イヌフグリ
イヌフグリ
昨日の陽に
ほほえんだ
イヌフグリ
今朝の霜に
うつむいた
イヌフグリ
春にゆくのは
そのような
ふたつの思い
あるのだと
イヌフグリ
その青のいろ
きみのいろ



南天の実生.jpg

あの夜に
かの風に
その白に
こぼれた
朱珠よ
雪溶けの
めざめた
この庭に
飾られた
朱珠よ
南天の時
その実生
双葉より
朱にして
生まれこし
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モズの声

大崎タイムス連載・2016.2.20掲載より

「モズの声」VOL.51
梅の花.jpg

空を引っ張る
やーれ ひけ
そーれ ひけ
ほら 空に
引っ掛かったテンバタ
あとは解けないように
押したり引いたり
ふいに抜ける
繋いだ手は
こんなにも簡単に
放たれるのだ
凧揚げ

地面を踏む
ダンダンコ 
ダースク スッタグ
ほら 地に
寝そべっているそいつ
あとは退散されるため
四方に反閇せしむ
ふいに顔を出す
潜めた根は
こんなにも複雑に
這っているのだ
鬼剣舞

ささ舟を流す
すーるり つつー
つつー すーるり
ほら 川に
流れてゆくでしょう
海に運ばれてゆくのに
逆らうことは

できないわたし
流るる水は
こんなにも整然と
受け入れているのだ
川あそび

天に手を向け
地に脚を下ろし
川に時を映し

わたしの座標が
ここにある
今このときに
繋がれている場所

足の裏
その親指に
心を向ける
幼き頃に遊んだ
川辺の丘に

モズが鳴いていた


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「雨水」

大崎タイムス連載2016.2.13掲載より

白鳥_o.jpg

「雨水」VOL.50

旅立ちの時ですね
渡り鳥に伝えるために
あなたはひとあし先に
羽を広げた
だからもう
引き止められない
そういうことですね

たくさんのことを
教えてくれた
あなたがここに来た時
わたしはどのように
迎えるべきなのか
少し戸惑った
それは承知でしたね

あなたの厳しさの
意味を知ってから
それはとても頼もしく
季節が白に輝いた

でも時は移ろう
その日が来たのです
あの日と
同じように
あなたは次の場所に
旅立つのです

すっかり少なくなった
この街のスズメが
喜び歌うというのに
雁は泣いています

春は美しい
だから焦がれる
新たな息吹を
与えてくれるから

雪のあなたも
好きでした
あなたもわたしを
好きでいてくれたら
どんなにか
素敵なことでしょう

霜を踏む
しゃりんと
氷を割る
かりんと
雪を握る
ぐわっと

その厳しい旋律は
感情に流される私を
戒めてくれました
また会えますか?





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宮沢賢治生誕120年記念「賢治の世界」セミナー・マリヴロン楽隊公演案内

公演のお知らせ!

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宮沢賢治生誕120年記念
マリヴロン楽隊の公演を
一昨年に引き続きまして
イーハトーブ館にて行います

新作として賢治作品から
『生徒諸君に寄せる』に
「颯爽たる風」を作曲しました
今回が初演となります

昨年リニューアルした記念館!
そこから賢治設計の花壇を下り
イーハトーブ館にお越しいただくのも
素敵だと思います

朗読は宮沢賢治記念館副館長で
学芸員の牛崎さん!

近くには花巻温泉など
たくさんの温泉地がございます
初春の賢治のふるさとを感じに
いらしてみませんか
お待ちしております

宮沢賢治生誕120年記念
「賢治の世界」セミナー

マリヴロン楽隊
[本]トークと和洋楽コンサート[るんるん]
[メモ]『生徒諸君に寄せる』

日 時:平成28年 3月 6日(日)
会 場:宮沢賢治イーハトーブ館
主 催:宮沢賢治記念館
      入場無料(申込不要)

午後1時30分 開 場
 
午後2時00分 開 演

「生誕120年記念トーク」
 牛崎敏哉×佐藤三昭

「和洋楽による朗読コンサート」
 マリヴロン楽隊による
『マリヴロンと少女』  ♪『一つの世界』
『生徒諸君に寄せる 』 ♪『颯爽たる風』
『告別』  ♪『光のパイプオルガン』         

午後3時10分 終 演           
   


  作     宮沢賢治 (童話・詩)

 出 演   佐藤三昭 (作曲・構成・指揮)
       牛崎敏哉 (朗読・監修)
       三浦公規 (和太鼓・鳴り物)
       石田陽祐 (篠笛)
       皆川峻哉 (コントラバス)
       熊谷裕史 (チェロ)
       三浦祥子 (チェロ)
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「節分の鬼」

大崎タイムス連載.2016.2.6掲載より

「節分の鬼」VOL.49

鬼は外!
鬼は外!
私の心に
鬼は外!
内なる私の
片隅に
いつしか芽生える
わがままに
嫉妬のような
焦がれのような
ただわたくしの
わがままにさえ
正しいふりして
現れる
内なる私の
片隅に
鬼は外!

福は内!
福は内!
私の心に
福は内!
外なるあなたの
体温に
いつでも照らす
見守りに
光のような
大地のような
ただわたくしの
わがままにさえ
正しさを無言に
教える
外なるあなたの
体温に
福は内!

鬼の逃げ場が
あなたなら
いつしか
鬼に化身しますか?

鬼を追い出したのが
私なら
本当の鬼は
私になるのですね

孤独に
耐えられないから
鬼を吐くのなら
福を招き入れる
鬼に変わる前の
福すら居なくなる

立春の前の日に
私の迷いに
鬼は内!




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