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「そうしてみると」

大崎タイムス連載・2016.3.26掲載より

「そうしてみると」VOL.56

風に吹かれてみれば
わかることがある
幼き頃の居場所
私に吹く風
あの日の希望

雨に打たれてみれば
視えることがある
別れの日に降っていた
私を止める
あの日の過ち

光に照らされてみれば
聞こえることがある
笑い声と駆ける足音
私を呼ぶ声
あの日の名前

雲に遮られてみれば
感じることがある
大人になる頃に知った
大人の理屈
あの日の指先

この川の土手に立つ
せせらぎは止めどなく
続いていたのだ
あの日のままに
そのままに

時を経て
私が忘れていたあなた
変わらぬ調べを歌い
なにくわぬ顔で
優しく私を迎えた

まるで私に
気づいていない
かのようにして
当たり前のように
厳しく私を迎えた

覚えていますか?
そんなはずないよね?

もう40年も
ここに来ていなかった
あれほど毎日遊んだ
この場所に

こうしてみると
わかるのです
私はあなたを
忘れてはいないと

もっとはやく
来るべきでした


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春彼岸に咲いた「水仙華」

お墓参りに行ってきます
今年も我が家の小さな庭に
咲いてくれました

水仙2016.3.19.jpg
『水仙華』

庭先の白花(しろばな)摘んで
東風(こち)の撫でたる
黄色路(みち)

春分(はるわけ)彼岸の
墓参り

吾(われ)に取らせる
母の手の

その温もりの
愛おしき
幼き時を思しみる

水辺に住まう仙人と
教えてくれし
あの春の

あなたを慕い
亡き庭に
今年も咲きて
水仙華

軒先の天井分けて
東風の撫でたる
黄色路

春告げ燕の
舞い越しぬ

吾に継がれし
母の手の

その骨格(ありよう)の
愛おしき
流れし時を思しみる

水辺に住まう仙人と
教えてくれし
あの春の

あなたを慕い
亡き庭に
今年も咲きて
水仙華

あなたを慕い
亡き庭に
今年も咲きて
水仙華



作詞/佐藤三昭
作曲・歌/さとう宗幸

初回のCD↓
「さとう宗幸全曲集2012」
2011年9月7日発売
キングレコードより

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「季節の始まり」

大崎タイムス連載.2016.3.19掲載より

「季節の始まり」VOL.55

季節の始まりはいつ?
若葉の芽吹く春ですか
あなたは静かに揺れた
見当違いですね
その姿を見ればわかる
空と会話しているから


その始まりはいつ?
乾雪の吹雪く冬ですか
あなたは口をつぐんだ
ちがいますね
その目を見ればわかる
大地と会話している

始まりは?
群青の燃え盛る夏
あなたは高らかに歌う
ちがう
その拳を見ればわかる
風を起こしているから

そうなると
葉を地に降らす秋
あなたは頬に露を宿す
どこか物悲しい時に
その始まりがある
ちがいますか?
季節の始まり
本当はその時

確かにあなたは
自らの書物を与え
無数の頁を敷く

その送られた思いに
始まりがある

種が植えられた
この日にこそ
あなたはあなたでない
季節の始まりを
託したのだ

私の始まりはいつ?
地球が生まれた夏
両親が出会った春
風が交差した冬
かりんの実が落ちた秋

季節の始まりはいつ?
あの人を見かけた1月
誰かを妬むんだ9月
ひとりで泣いた6月

愛されていると
知ったのは
弥生の中頃
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「戻れない羽」

大崎タイムス連載・2016.3.12掲載より

「戻れない羽」VOL.54

明日から通わなくなる
そんな実感も
持たぬまま
その時が経過して
わたしは何度かの
卒業を経験した

始まりは
終わりの始まり…
終わりは
新たな始まりの…

少し大人になったころ
何かを守ろうとして
身勝手に去った
卒業もあった

そうして
いまのわたしがある

いつも思う
何者でもなかった
あのときのわたしを

野原と小川の空き缶
矛盾の昼と正義の夜
恋した先の春風と秋風
清廉な魂と汚れた欲望
明日への希望と怒り
失われる恐怖と決別
あの子の破顔と無言
たんぽぽと菜の花
その真ん中と端っこ

幾つもの卒業
そうして大人になった

成長すること
それは
戻れないこと
その前の自分には
戻れないことなのだ

ちょうちょが
いもむしから蝶にと
目覚ましい卒業を
成し遂げたがように

憧憬の光の中に
戻れない羽を
あの卒業で
与えられたのだ

だからこそ覚悟しろ
せめて自分らしく
生きるのだと

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「賢治の世界」セミナー、終了御礼!

宮沢賢治生誕120年「賢治の世界」セミナー講演・コンサート終了御礼!
6マリヴロン楽隊3.jpg
富国強兵へと舵をとる日本。人々の生活は苦しさが増すばかり。1929年からの世界恐慌。東北の冷害と凶作。気候変動。1896年の明治三陸地震(6/15)の年に生まれ(8/27)、関東大震災(1923)を経験し、1933年の昭和三陸地震(3/3)の年に死去した(9/21)賢治。
そしていま、震災からあと5日で5年
東日本大震災、原発事故。金融不安。就職難、失業。紛争やテロ。気候変動。生き難い現代。私たちがこの日本から、足元や世界を見るときに、彼が若者に伝えようとした生き方や精神は、いまこそ、輝きを増している。大切な示唆を与えてくれている。
賢治の6年間をクローズアップして行いました。
1921(大正10)年1月、トシの病気再発で秋に帰郷。11月から花巻農学校で教鞭を執る。
1922(大正11)年11月27日、トシ病没。
1924(大正13)年、第一詩集「春と修羅」、童話集「注文の多い料理店」刊行。
1926(大正15/昭和元)年3月、農学校教師を辞す。 羅須地人協会設立。
1927(昭和2年)年3月、羅須地人協会で活動を本格化。
命の時間とその使命を、後輩に伝えようとする思いが色濃く反映された。生きるとは何か。まことの光とは何かと。農業後継者の育成や改革、農民文化や芸術の普及、教育や指導、そして農民生活の向上を図ろうとした。
※上演作品について
「マリヴロンと少女」(1921年秋) トシの病気再発で帰郷した頃に原作執筆/未完。
「告別」(1925年10月25日)
「生徒諸君に寄せる」(1927年) 「盛岡中学校校友会雑誌」への寄稿を着手/未完。
 [☆]?昨年の記念館リニューアルOPにて展示がスタートしている
※委嘱曲について
「マリヴロンと少女」には『一つの世界』
「告別」には『光のパイプオルガン』
「生徒諸君に寄せる」には『颯爽(さっそう)たる風』
邦洋楽による試み。洋楽の素晴らしさを伝え、郷土芸能を愛した彼の心に浮かぶ音楽世界を表現するために。
震災や時代を思い、祈りをもって、上演いたしました。
前日にチェロの三浦祥子さんが体調を崩され入院されましたため、メンバー一丸となって本番をのりきりました。三浦さんの1日を早い回復をお祈りいたします。
みなさま、ありがとうございました。
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「啓蟄の日に」

大崎タイムス連載・2016.3.5掲載より

「啓蟄の日に」VOL.53

柳の芽吹きに
ふきのとうの花

むしがよぎり
春が来た

陽の傾き
空の色
地の熱
それを計り捉える

君は優れている
生き抜くことに

太陽系を睨み
この星から銀河を思う
地球の地軸を支え
マグマを圧えている君

若葉の芽を出すことの
柳の思いを知りたい

ふきのとうの花の咲く
本当の願いを知りたい

その静かな決意に
量れない重さがある

君はいまここに
それを知っていて
現れたのですね

その確かな共鳴に
学びでは得られない
知があるのです

わたしは
その白の重みを
知っているのだろうか

わたしの
一つ一つの細胞は
その潔さを
知っているのだろうか

柳の若葉の
その芽吹きと
脆弱な漂いにある
君の正しさに
わたしの心を
重ねてみる

その静かな決意
その確かな静けさ
ここにある
ユスリカの柱


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「賢治の世界」セミナー、近く!

お知らせです

次の日曜日(3/6)、宮沢賢治イーハトーブ館にて
マリヴロン楽隊のコンサートがございます[るんるん]

6チラシ表.jpg

2014年に編成された邦洋楽と朗読による楽隊!
賢治が願った「まことの光」とは何か?
賢治が見ていたこころの風景を慮る!!
言葉と音楽による舞台を試みております[メモ]?[本]
今年は彼の生誕120年の年です
明治の大震災と昭和の大震災の間に生きた賢治
地域社会の貧困と世界大戦に突入してゆく日本
「後輩に伝えたかった思い」に光をあてました
3月は卒業出会いの時
そしてあの震災から5年目の春
新作として「生徒諸君に寄せる」に曲を書かせ
ていただきました
ぜひ、お越しください[ムード]
また、宮沢賢治イーハトーブ館限定
この日(3/6)からマリヴロン楽隊のCDが発売
されることになりました
賢治記念館さんはじめ関係の皆様に感謝します

29.jpg

賢治さんのふるさとを尋ねられた折には、お立
ち寄りくださり、手にとっていただけましたら
幸いです
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