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「石蕗の花」

大崎タイムス連載詩・2016.11.26掲載より

「石蕗の花」VOL.91

ツワブキの黄
あなたの色です
そのように
生きたから
あなたを
思い出します

大きな葉
あなたの懐です
あの日の優しさを
わたしは
抱いています

石蕗の花が
咲いています
もうすぐ
冬が来るのですね

「あなたなら
だいじょうぶ
やってごらんなさい」
あなたは少し頬んで
そうおっしゃった

茶室の障子の隙間
そこに目を遣ると
石蕗の花が
咲いていました
葉は緑をたたえ
黄の花をかかえた
あなたの心が
とても静かに
咲いていました

皆が花を
咲かせない
初冬の庭で

そのように
穏やかに
そして気丈に
生きてこられた
あなたが
咲いていました

わたしはあなたに
お会いできて
よかった

あの日から
ふたとせが経ち
お礼を申し上げる
この日に
あなたが
昨年逝ったのだと
知らされたのです

茶室に参りました
石蕗の花が
咲いています





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宮沢賢治作品のための「マリヴロン楽隊」の動画、第二弾です

宮沢賢治作品「生徒諸君に寄せる」の朗読に
『マリヴロン楽隊』が楽曲を添えて演奏しております。

この度、第二弾として、演奏動画を、一部ですが公開させていただきます。
ご興味のある方は、どうぞご覧ください。

※「生徒諸君に寄せる」から「颯爽たる風」という楽曲ができました♪

平成28年3月6日に行われた、宮沢賢治記念館主催による宮沢賢治生誕120年記念「賢治の世界」セミナー(イーハトーブ館にて)。トークと和洋楽コンサート『生徒諸君に寄せる』から。作曲・指揮と構成は3D-FACTORYの佐藤三昭、朗読と監修は宮沢賢治記念館副館長の牛崎敏哉、和太鼓・鳴物は三浦公規、篠笛は石田陽祐、コントラバスは皆川峻哉、チェロは熊谷裕史で公演を行った(他に『マリヴロンと少女』と『告別』をモチーフにした楽曲も演奏された)。同日に発売された公演と同演目を別収録されたCD(チェロに盛岡在住の演奏家・三浦祥子が加わって)は、イーハトーブ館で限定発売されている。

こちらでご覧いただけます↓
https://m.youtube.com/watch?v=L4fcjOSKOyE&feature=share&list=PLrzHbJ83gJ_UNPMEA4Gc4BgHtKlbi5lBG





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「コスモス」

大崎タイムス連載詩・2016.11.19掲載より

コスモス」VOL.90

くたびれないの
そんなに細い体で
こんなに高く
背伸びして

君は美しい
ちゃんと
見えているよ
あのひとに

そんなに花を
つけたから
隣の芒より
風をつかんでしまう

君は可憐だ
ちゃんと
聞こえているよ
あの空に

花びら八枚
この広場のあちこちを
桃に白に赤に彩る

メキシコスペイン
旅してきたのは
どうして
明治の頃より
ここは住みよいですか

大春車菊よ
小春日和だ
今日は君の日

風に揺れながら
決して絡まず
一つの法則を
空に与えている
「星座の世界」
「秩序を保つ完結した
 世界体系としての
 宇宙のこと」
古代ローマ
カトリック教会の言葉
ラテン語

君には素晴らしい名を
与えられたのです

宇宙の星たちが
ここに振りこぼされた
君のおかげで
広場が宇宙だ

星座の友には
きっと見えているよ
君の純真と真心

その花言葉のように
君は美しい




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「末枯」

大崎タイムス連載詩・2016.11.12掲載より

大崎タイムス2016.11.12.jpg

「末枯」VOL.89

夏に茂った落葉樹が
深秋に葉を落とす

この潔さに
未来への信頼がある

果実が種を抱えて
熟れながら
地面に落ちる

この使命に
自身への責任がある

山で生まれた水が
老いて海に向かう

この奇跡に
海への憧れがある

花に集まった蝶が
蜜を吸い花粉を纏う

この無意識に
次代の命がある

かの実がようやく
地面に辿り着いた
そこに降り立った
ムクドリが
その種を食べた

この無情に
新たな天地がある

もみじの紅には
終わりが潜んでいる
かえでは黄の内に
過去を孕める
盛りを過ぎて
衰える
それが末枯

炊かれた香木の
その香りが衰える
たきがらになる
それが末枯

それでも
それだけでは
ないのだ

枯れて無くなっても
何も残さなくても
何もなかった
わけではない

目の前の落葉樹が
いま葉を落とし
このときに
あなたの正義がある






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宮沢賢治作品のための「マリヴロン楽隊」の動画です

宮沢賢治作品「マリヴロンと少女」の朗読に
『マリヴロン楽隊』が楽曲を添えて演奏しております。

この度、演奏動画を、一部ですが公開させていただきます。
ご興味のある方は、どうぞご覧ください。



平成28年3月6日に行われた、宮沢賢治記念館主催による宮沢賢治生誕120年記念「賢治の世界」セミナー(イーハトーブ館にて)。
トークと和洋楽コンサート『生徒諸君に寄せる』から。
作曲・指揮と構成は3D-FACTORYの佐藤三昭、朗読と監修は宮沢賢治記念館副館長の牛崎敏哉、和太鼓・鳴物は三浦公規、篠笛は石田陽祐、コントラバスは皆川峻哉、チェロは熊谷裕史で公演を行った(他に『生徒諸君に寄せる』と『告別』をモチーフにした楽曲も演奏された)。
同日に発売された公演と同演目を別収録されたCD(チェロに盛岡在住の演奏家・三浦祥子が加わって)は、イーハトーブ館で限定発売されている。

楽隊の名前に賢治さんの登場人物を冠することになった作品「マリヴロンと少女」
この作品の朗読のために作られた楽曲「一つの世界」を朗読と共にお送りします。
     [↓]?
https://youtu.be/S0rrJIwEkSk






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「秋灯」

大崎タイムス連載詩・2016.11.5掲載より

              函館にて

「秋灯」VOL.88

澄明な思い出
ふと蘇った

そこの私は幾つ?
それは鮮明に
心が応えている
あの日も
ふとしたたわいない
ひとときだった

たしか
星の明かり
いや
電柱についた街灯
月夜か
そうだ
お月さま

そうでもないような
その明かりの正体が
どうも思い出せない

それでもあの時の
例えようのない
郷愁と安堵といった
帰属の光があったこと
だけは覚えている

ときを忘れ
夕暮れまで遊んで帰る
道すがらに
我が家が見えた所
まだカーテン
閉じる前
居間から漏れる
蛍光灯の灯り

それがそれであった
のかもしれない

突然に訪れる晩秋の夜
その帰宅と夕食の間

まさに
子供の私には
強烈で透き通る
安やぎの光線であった
日付や対象を超えた
自身の季節を映す
希求の光だった

外にはいちばん星と
大きなお月さまと
向こうの小道の街灯と

まっすぐな
信頼に足る
導きの灯り
今夜もあの日の
鮮麗光る





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