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「時を止める」

新聞連載詩・大崎タイムス掲載(2017.1.28)より

「時を止める」VOL.100

時を止めるために
何ができるだろう

時は過ぎ去るもの
止めることなど
できない

わたしが
生まれたのも
その時が
流れたからに
他ならない

わたしもいつか
時と無縁に
なるのだ
その時が
流れたら

わたしが
生きることも
その止まらない
わたしの限られた
時の中で
進んでいる

時を止めるために
何ができるだろう

そう考えてみても
そんなことは
叶わない

「ことば」
それは
心に確かに
生起した
露のような
儚い感情
この時の中で
わたしの
時があった
証拠
そのことを
紡ぐむ
それを残す

これは時を
止めたことに
ならないのだろうか

風化させない
変えられない
わたしの
現象を

「ことば」
にしてみる
時を留めて
おくために





「生まれてきたこと」

大崎タイムス連載詩・2017.1.21掲載より

「生まれてきたこと」VOL.99

生まれてきたことに
罪を背負うことなど
時に意味がない
説明のつかない
このことを
責める必要がない

カラスは
カラスとして
生まれてきたから

バラは
バラとして
生まれてきたから

生まれてきた意味に
思いを巡らすことに
時に意味がある
説明がつかない
そのこと
たとえそうであっても

繋がれた
命がある
そのことだけで
価値がある

私という存在は
私以外の存在によって
もたらされ
ここに在る
その誕生に私の意思が
在ったのかどうか
それはわからない

なぜ生きるのか
どうして
生かされるのか
そこには責任がある
命を輝かせ
自分を信じるという

自らの喜びを
求めようとする責任

己を責めるのではない
認めるために生きる
その資格がある

生まれてきた意味に
思いを巡らす

誰かのために
何かをしてみる

なんのために?
自らの命のために
認め合う世の中が
実現するように
私が私であるために





「想像の幹」

新聞連載詩・大崎タイムス.2017.1.14掲載より

「想像の幹」VOL.98

思いつきや
ひらめきや
その突拍子もない
気づきに
出くわす

幻視のような
たわごとが
歩んできた
曲がり道の
その先に訪れる
偶然の顔をして

それを必然というのか
然るべき絵であった
そのように
過ぎてみて初めて
思うことがある

思いを巡らす
そのことでしか
得られない
出会いがあると

想像の幹から
描かれたもの
それがそうだ

投げ出したいほど
悩み続けた暗闇に
行く先が見えない
真っ白な霧の中で

それでもなお
わたしを苦しめ
しかし
救ったもの

想像という
捉えどころのない
摩訶なる空間に
放り捨てられ
さまよっても
思考の渦が
私を救いへと
導いてくれた

それはただ
流されたのではなく
何か一本の幹が
その背中
確かにあったように
思い返される

小さなことでも
大きなことでも
想像してみる

あの雲が
雲でなくなる






宮沢賢治作品のための「マリヴロン楽隊」公演のご案内

宮沢賢治作品のための「マリヴロン楽隊」公演のご案内♫

jpegマリヴロンチラシ表.jpg

お伝えしたいことがございます。
(長文ですみません。お時間の許すときにでもお読みいただけましたら幸いです)
東日本大震災の翌日にあたる2011年3月12日に福島市で予定されていた公演がありました。「賢治・中也・心平、福島ニ交差点アリマス。」という「ことばのミュージアム2011フェスティバル」でのトークです。第1部は、進行役が詩人の和合亮一さん。賢治の弟(清六)のお孫さん宮沢和樹さんと宮沢賢治記念館副館長・学芸員の牛崎敏哉さん、中原中也記念館館長の中原豊さん、いわき市立草野心平記念文学館副主任学芸員の長谷川由美さん、そして私。当然ながら前日の大震災を受けて中止になりました。その後、私などは微力ながら音楽で何か役に立てないかと自問を繰り返しながらそのことも忘れて活動していました。ところがあの日から3年が経った頃、私は実現せずに終わったトークを突如として思い出しました。居てもたってもおられず、その日の内に宮沢賢治記念館に電話しました。「本当はあの時の3月12日にお会いするはずだった者です」と。今こそ賢治さんの言葉が必要だと思ったからです。それから間もなくして記念館の牛崎さんを訪ね、お会いすることが叶いました。
『賢治の生まれた1896年には三陸大津波、妹が亡くなった翌年1923年(彼が27歳)には関東大震災が発生、賢治が亡くなった1933年には三陸地震大津波が発生している。国粋思想を強める日本と、足元の貧困はまさに切実な問題であり、自由という概念が歪めれれてゆく瀬戸際でもあった。そして、自然への畏怖や敬いと、無常感や不条理に思える命の終焉を受け止める時期でもあった。一方で人知や科学の未熟さと期待を持ち合わせていた。賢治は常にそれらを意識し、自ら亡き後に、その思考の岩を残そうとしたのではないか。賢治の最愛の妹で理解者であったトシの死。その喪失感。東日本大震災のその惨事と悲しみや教訓を忘れないために。癒えない傷を抱いている皆さんに寄り添い、未だ復興の最中におられる方々の力になれるよう、宮沢賢治の心の風景を尋ねることをしたい。曲を書きたい。賢治は、みちのくの郷土に根ざす伝統芸能を愛した。それは風土とそこに息づく精神と生活が凝縮していたから。同時に西洋の文化や思想や科学にも強い興味を示し、チェロやビオラを演奏し、クラッシック音楽レコード収集を行っていた。彼の中で流れていた音楽は、どのようなものだったのか。和にして洋、洋にして和なる世界。言葉に置き換えられたイーハトーヴの風景は、その精神に裏付けされた光のような音ではなかったのか。邦(和)楽器と洋楽器とで構成しようと思う。和太鼓、篠笛と、チェロ、コントラバスによる音作りをする』。そう話し続けてしまいまして…
そのような会談を終え、牛崎さんと記念館さんからご了諾とご協力を得て、2014年9月21日に宮沢賢治記念館主催の『言葉の先の風景』と題した「トークと和洋楽コンサート」にて『マリヴロン楽隊』は誕生しました。この日は、宮沢賢治の命日でもあり、「宮沢賢治記念館の開館日」でもありました。楽隊名は、賢治の作品「マリヴロンと少女」から名付けました。2016年3月6日には2度目となる記念館でのコンサート(宮沢賢治記念館主催){朗読と邦洋楽による賢治の世界「言葉の先の風景」}は、宮沢賢治生誕120年記念「賢治の世界セミナー」として行われました。そして今回の公演です。かっこいいとか激しいとか、そのような公演ではなく、賢治さんの感情という岩に身を置き、静かに大切なことを思う広場と時間にしたいと思っております。この3年間で賢治作品4作品に曲を書かせていただきました。その作品(一曲は初演)を発表いたします。足をお運びくださいませんか。本公演はチャリティーとして、収益金は賢治さんのふるさとである岩手県の震災被災した教育施設に寄付させていただきます。この度は、趣旨にご賛同くださり、女優の音無美紀子さんが朗読で特別出演してくださいます。感謝の念に堪えません。今回は羅須地人協会や花巻の集会所のような空間で小規模に言葉と音楽を感じて戴きたく、お客様を多くお迎えできません。申し訳ございません。小さな小さな行動ですが、何かの幸いの種になることを願っております。志を共にする楽隊の仲間と、あなたさまのお越しをお待ち申し上げます。
(最後までお読みくださり、ありがとうございました)

なお、本公演はライブハウスでの小規模スペース開催になります。就学前のお子さまの御同伴は御遠慮ください。また小学生以上の御入場にもチケットが必要となります。重ねて御理解の程、よろしくお願い申し上げます。

jpegマリヴロン楽隊メンバー.jpg

マリヴロン楽隊
『言葉の先の風景』心象詠奏・参
 宮沢賢治の世界 〜賢治ノ手記ノ中ヘ〜
2017年2月18日(土)
会 場|Artist House & Cafe ViBER
   東京都墨田区押上1-15-10 ヤマキビル2 3F
入場料|¥3,000-(1DRINK付)
時 間|[1]11:00〜 [2]15:00〜 [3]19:00〜 《各回定員30名》
出 演|佐藤三昭、牛崎敏哉、三浦公規、石田陽祐、
    皆川峻哉、熊谷裕史、高橋理沙
<特別ゲスト>音無美紀子
■プレイガイド
【メール予約】
 メールアドレスlive@wadaiko.info
 件名/マリヴロン楽隊
 本文/氏名(ふりがな)、電話番号、枚数
 ※3日以内に予約完了メールが届かない場合は、お手数ですが再度お申し込みください。
【電話予約】
 電話番号/080-5550-9984(3D-FACTORY)
■お問い合わせ
 3D-FACTORY/080-5550-9984
本公演の収益金は、東日本大震災で被災した岩手県の学校に寄付させていただきます。
主催/3D-FACTORY inc. 協力/Artist House & Cafe ViBER

jpegマリヴロンチラシ裏.jpg

「ことばはどこに」

新聞連載詩・大崎タイムス2017.1.7掲載より

「ことばはどこに」VOL.97

ことばは
どこにある

わたしの口先を
突いて溢れる
その願いから

わたしの指先に
文字を探らせる
その迷いから

あなたの耳元に
不器用に届けられる
そのため息から

あなたの目元
微笑みを誘う
その戯れから

ことばは
ここにある

わたしの庭先に
福寿草の黄色が
膨らむ
その訪れに

わたしの胸中に
新たな望みが
芽生える
その始まりに

あなたの眼前に
野原に積もりゆく
白の眩しさ
その純心に

あなたの掌に
明日への希望が
抱かれる
その実感に
ことばがある

ことばが
生まれる

あなたの
光のなかで
わたしの
雨のなかに

ふるさとの
風が吹いている
その場所

あなたの
瞳から
わたしの
ことばが
生まれる