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詩集「まばたきひとつ」刊行のお知らせ

ちっぽけな詩集 故郷から そっと ふたつめ

第二詩集チラシ表.jpg

 子供の頃は、何もないと思っていた故郷。都会への憧れもあった。いまはそうは思わない。
 50年の間、踏みしめた大地が教えてくれる。広い空が語りかけてくれる。鳥は歌い、野には花が咲き誇る。冬の寒さや無言の雪がある。寂しさや喜びや些細な発見、抱かれる希望、そして自分の至らなさを思い知らされる風がある。私は毎日、その中に身を置いていられるのだ。自然への畏敬を忘れないで生きていられる。そのような思考の土地で育った。それは幸いであった。
 だから言葉にしようと思う。自分でも何を書きたいのか、よく分からないのだが、確かに何かに触れて、生起した風景なのである。描きたい心の絵なのである。
 作曲と詩作が同時に起きる。それは曲作りにおいても、言葉が拠り所だからだ。言葉を手掛かりに、その風景に迷い込み、その先に音が流れているからだ。「言葉の先の風景」にこそ、本当の想いが「観える・聴こえる」と信じている。
 ですから、どうかお許しください。そのまま書き残すことを。どうかその風景をご覧くださいませんか。そう願ってやみません。(『まばたきひとつ』〜あとがき〜より)

http://3df.theshop.jp
http://www.wadaiko.info
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「ときには時を」

新聞連載詩・大崎タイムス2017.3.25掲載より

「ときには時を」VOL.108

ときには時を
忘れるがいい

その一秒は
刻まれるものだと
思わなければいい
ときには時を

働くことや休憩を
規則付けたのは
この一秒の正確さ
揺るぎない
杓子定規

日は昇り
そして沈む
春が来て夏が来る

月は満ち欠けし
その繰り返し中で
生きている

自然の営みは
もっと自然だ

きっと
その一秒と
長さの違う
一秒だ

ときには時を
忘れぬがいい
その一秒は
過ぎるのだと
思わなければならない

なすべきことや休養を
規定するのは
この一秒の大切さ
取り戻せない時間

ここに生まれ
そして死ぬ
青春を経て壮歳を生き

月は満ち欠けし
前とは違う
月を生きている

自然の営みは
もっと自然だ

きっと
その一秒と
長さの違う
一秒だ

私の一秒は
私の時計の中で
私を進めている




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「旅立ちの日に」

新聞連載詩・大崎タイムス(2017.3.18)掲載より

「旅立ちの日に」VOL.107

旅立ちの日に
すべきこと
旅立つ前の
日々を思うこと

旅立ちの前に
すべきこと
鉢植えの花に
水を与えること

その花が
届けられた日を
思い出すこと

受け取った思いに
溢れた愛情に
あの日の花の色を
心に映し出すこと

どうしてここを
旅立つことにしたのか
また芽吹きはじめた
鉢植えの葉を眺めて
考えること

旅立つ前の
日々を思うこと

陽の昇りくる
静かなときに
いつもの道を
もう一度歩くこと

その道の途中で
立ち止まり
名の知らぬ草に
触れること

旅立ちの日に
すべきこと
旅立つことを
許してくれた
故郷を見つめること

亡き人の慈しみに
思いを馳せること

旅立ちを
反対してくれた
人の心を思うこと

新たな門出の
決意するに至る
脱したい現状に
感謝すること

自分を育ててくれた
愛を噛みしめること

自分を信じること




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「あの日から」

新聞連載詩・2017.3.11大崎タイムス掲載より

「あの日から」VOL.106

もう6年が経つ
あの日
私の背中
大きな壁が建った

あの日から
時が止まった
かのように
大きな壁がある

どうしても
乗り越えられない

そこに描かれた
混沌の壁画が
振り返った先に
建っているから

あれから
前に進んだつもりでも
時が止まっていたのだ
振り返れば
あるのだから

私は一歩も
進んでなどいない
背中に
それが
あるのだから

時計だけが
針を進めて
6年という歳月が
過ぎただけのこと

時が過ぎたからとて
先に進んだのではない

時が過ぎたからとて
立っている場所が
変わったのではない

振り返れば
そこに
あの日の壁がある

壁に絵を描こう
綺麗な花を
流れる川を
町並みを
風を吹かせよう
光を当てよう

そうすれば
壁は表になって
取り戻せるかも

そう考えてみる
そう願ってみる
いまだから



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宮沢賢治作品のための「マリヴロン楽隊」公演の動画公開します

宮沢賢治作品のための「マリヴロン楽隊」公演の動画公開いたします。

先日の宮沢賢治朗読コンサートの模様を、YouTubeにアップいたしました。
ご興味のおありの方、お時間のある時にでも、御覧ください。
マリヴロン楽隊主宰 佐藤三昭


「マリヴロンと少女」
https://youtu.be/dgdinPEDHZo

「噴火湾〜ノクターン〜」
https://youtu.be/cuT-xPm47CI

「告別」
https://youtu.be/XZxFQn2II1A

「生徒諸君に寄せる」
https://youtu.be/b-heEuGJQRQ

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「忘れることに」

新聞連載詩・大崎タイムス(2017.3.4)掲載より

「忘れることに」VOL.105

忘れることに
罪はあるのか

老いた両親が
何度も訊く
同じことを云う
何度も

忘れられないことは
いつまでも忘れない
そのことに
救いはあるのか

忘れたいと願っても
忘れられない
こともあれば
忘れてはならないと
心に誓っても
忘れてしまう
こともある

あの人から受けた恩誼
授かった機会
あの人から受けた仕打
降りかかった誹り

子供の頃に
寝床で聞いた
こそこそ話
そのことを
初めて話すかのように
老いた両親が云う
もう会うこともない
遠い人との
出来事について

忘れることに
癒しはあるのか
忘れないことに
報いはあるのか
祈りはあるのか

忘れたことに
悔いはあるのか

忘れられないことに
忘れてならないことに
忘れてしまいたい
忘れてたまるか
忘れろ
忘れるな

子供の頃に
寝床で聞いた
こそこそ話
そのことを
時を経て聞いている

私が経験していない
遠い人のことを




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